Un petit peu

ときめき備忘録🌛

ゆるやかな衰退

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 あと数時間で街が活動を始めるであろう時間帯。

 ふとしたときに、過去の間違ったことや恥ずかしい失敗を思い出して、「あああああああ」と頭を抱えながらごろごろ転げ回りたくなる瞬間がありますか? わたしはしょっちゅうDEATH。

 なにか一つ願い事が叶うとしたら、あの場にいた人間の記憶を一切消去してしまいたい。いっそのこと自分が人魚姫のごとく、泡になって消えてしまいたい。

 

 こどもな私は、成人をして大人になればなるほど、初めての経験が少なくなればなるほど、生き恥が増えていくことに気がついた。これは年齢に対し、中身が伴っていないことを明確に示しているのだけれども。

 むかし読んだ少女漫画に出てくる仕事も恋もバリバリ大人の女性!とはほど遠く、年齢を重ねたとして、自分の本質が突拍子もなく、自動的に変わるなんてことはいっさいなかった。

 そうして、人におもしろ可笑しく話したり、こうして文字にしてアウトプットすることで、なんとかこころの平穏を保とうと試みる。一連の流れがなんと滑稽なことか。

 

 幼少の頃から、何事もなんとなく、それなりにできるタイプではあった。人の前に立つタイプでないが先生から指名を受けて言われればまとめ役もした。しかし、リーダーのようなタイプでもなく、要領は決して良くないのを自覚しているので、そこは出来る他人になあなあにして任せるように。

 とどのつまり、生まれもったものだけでなんとなく、のらりくらりここまでやってきたのだ。人と競争するのも面倒で、結果、自分の殻にこもって現実から目をそらすのがいちばん得意な大人になってしまった。

 優等生ぶるのも得意で、そのせいか失敗するのも怖くて、人の目が怖くて、自分から新しいことを始めることができなくなった。仕事と休日寝て過ごすだけの毎日に飽き飽きし、なんとか現状を変えたかった。

 

 現状維持とはゆるやかな衰退、という言葉は本でもネットでも目にしたことはある。しかし、こうして自分が体現する立場になってしまうなんて。その言葉は裏付けるような存在になりかけているなんて。 こうして文字を綴っているあいだにも、わたしは坂を転がっているのだろうか。

 要は主体性に欠けていて、自意識過剰で、努力もめんどくさいので、虚栄心をかざしている方が楽だと気づいてしまった人間なのだ。我ながら自覚してしまっているのが逆に救いようがないというか…こんな自己分析就活でもしてないよ。マゾなのかなあ。

 

 きっと自分はこんな性格がそこまで嫌いではないのだと思う。

 それはたいへん幸福なことである。と同時に、そんなのは間違っている、まるで自ら檻と鎖に繋がれて安心しているような、かわいそうな人間だ、と腹の奥から囁くような声がするのだ。

 「あなたがもし私だったら、私はあなたみたいにその場に足踏みなんかしていない」と。

 その声に私は苦しめられ、怯えながら、檻のなかで平和のまぼろしを見ている。

 

  他人はそこまで自分のことを気にしてはいないし、思い上がるほど自分は大した人間ではない。そこを自覚した上で、生き恥をこれからも上塗りし続けながらも、挑戦する手を止めてはいけないのである。

 

 人生は自分の心の置き所次第!!!見える世界を変えるのも自分次第!!!人間は一日二日で完璧にできない!!!今日もやなふなは可愛い!!!さいこー!